2016年4月~2017年1月まで続いた燃油サーチャージの無料時代も終了し、2017年2月発券分から燃油サーチャージが復活しています。2017年4月発券分からは燃油サーチャージがさらにあがり、現在の倍になることが決まっています(現在政府認可申請中)ので、海外旅行をしようという方にとっては大変つらいところです。
今回、試しに1月に私が取得したANA国際線特典航空券の欧州旅程を2月になってから検索してみたところ、燃油サーチャージが片道分しか追加されておらず、「???」となってしまいましたので、実際にどのように燃油サーチャージが計算されているか確認してみてみました。
「燃油サーチャージが上がっちゃうから早く特典航空券を発券しないと!!!」と言いながら実際にどのくらい上がるか?をちゃんと把握していない方は参考にしていただければと思います。
燃油サーチャージの現在の価格や算出方法など
まずは、燃油サーチャージの現在の価格について簡単に触れておきますが、ANAの場合、2017年2月1日~2017年3月31日発券までの価格は以下となっています。
欧州や北米、オセアニアで基本的に片道3,500円、ハワイ2,000円、東南アジア500円~1,500円といったところです。(一部例外の区間もありますが、そちらはANAの公式ページ「燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について|ご予約/旅の計画|航空券予約・空席照会|ANA」を参照ください。)
2017年4月1日発券分からは燃油サーチャージを算出する際のゾーンが一段階上がってしまうため、ほとんどの区間で燃油サーチャージが倍になります。(中国などは500円→1,500円、韓国は200円→300円、それ以外は倍。)
燃油サーチャージの価格や算出方法については、issyさんややじり鳥さんがわかりやすくまとめていらっしゃり、それ以上の記事を書ける気が全くしませんので、詳しく知りたい方はそちらをご覧頂ければと思います。
実際の燃油サーチャージとして請求される額!
それでは実際に私が発券した特典航空券の国際線部分の旅程で、燃油サーチャージがどのように請求されるか見ていきましょう。
【旅程】
1区間目:東京ーフランクフルト(ANA)
2区間目:フランクフルトーミラノ(ルフトハンザ)
3区間目:ローマーミュンヘン(ルフトハンザ)
4区間目:ミュンヘンーパリ(ルフトハンザ)
5区間目:パリーバンコク(タイ国際航空)
6区間目:バンコクー関西(タイ国際航空)
【1月発券時の燃油サーチャージ】
私が1月に発券した時には、「航空保険料及び燃油特別付加運賃」として9,200円請求されています。
【2月発券の場合の燃油サーチャージ】
同じ旅程を2月に発券しようとした時の「航空保険料及び燃油特別付加運賃」は12,700円でした。
「1月発券は燃油サーチャージかからないはずなのに、なんで9,200円もかかっているの!?」
「ヨーロッパは片道3,500円かかるはずなのに、なんで片道分の3,500円しかあがらないの!?」
「ヨーロッパ周遊したりしているのに、その区間はあがらないの!?」
「そもそも航空保険料って何?いくらかかってるの??」
などと思わないでしょうか!?無知な私は疑問に感じてしまったので、今回ちゃんと確認してみることにしたわけです。
基本的な考え方
まずは「航空保険料」ですが、これは航空保安強化に関わる費用増の一部を乗客が負担するものであり、ANAの場合、現在(2016年4月1日以降)は1旅客1区間片道当たり200円かかることに決まっています。まぁ大した額ではないですね。区間ごとに航空保険特別料金の200円と燃油サーチャージ分が足された額が「航空保険料及び燃油特別付加運賃」として請求されることになります。
そして当然といえば当然のことなのですが、ANAで発券した場合でも、燃油サーチャージは利用する航空会社ごとに異なるようです。念のためプラチナデスクにも確認しています。今回私はANAの国際線特典航空券で発券しましたが、ANAの燃油サーチャージが適用されるのは往路の東京ーフランクフルトのみとなり、それ以外の部分は適用されないことになります。今回2月発券で見た場合に「航空保険料及び燃油特別付加運賃」が片道分の3,500円しか変わらなかった理由はANA以外の燃油サーチャージの額が変わっていないという単純な理由であり、1月発券時に9,200円もかかっていたのはルフトハンザの欧州内の便では1月発券時からすでに燃油サーチャージがかかっていたという理由でした。
各航空会社の燃油サーチャージ
私が今回利用しているルフトハンザとタイ国際航空、それに運賃比較対象としてアシアナ航空とエアチャイナを確認してみたので、それぞれの燃油サーチャージの規定についてみてみましょう。
ルフトハンザ
日本発着:2017年2月1日発券から片道につき2,900円の燃油サーチャージ、800円の航空保険料
ヨーロッパ内路線1区間につき2,200円の燃油サーチャージ、800円の航空保険料
http://www.lufthansa.com/jp/ja/japan-fuel-surcharge
タイ国際航空
2017年3月31日発券までは燃油サーチャージなし。(日本-タイ間と、日本発券かつ日本出発の航空券の場合に限ってバンコク以遠の目的地に関しても燃油サーチャージなし)
エアチャイナ
2017年2月1日~2017年3月31日発券について
日本-ヨーロッパ間は片道につき10,500円の燃油サーチャージ、航空保険料1区間500円の航空保険料
エアチャイナは公式ページでの記載がわからなかったのでまとめページのリンクです。それにしてもヨーロッパの燃油サーチャージが高い!!
アシアナ航空
2017年2月1日~2017年3月31日発券について
日本ー北米・ヨーロッパ・オセアニアは片道につき3,500円の燃油サーチャージ、120円の航空保険料(ほとんどANAと一緒)
アシアナからのお知らせ < ニュース&イベント < アシアナ航空のホーム(HOME)
シミュレーション結果
これまで紹介した情報をもとに「航空保険料及び燃油特別付加運賃」を自分で計算してみました。
①2017年1月発券時
私が1月に特典航空券を発券した時の計算です。(上のほうで記載している通り、1便目がANA、2~4便目がルフトハンザ、5,6便目がタイ国際航空です)
区間 | 燃油サーチャージ | 航空保険料 |
東京ーフランクフルト | 0円 | 200円 |
フランクフルトー ミラノ | 2,200円 | 800円 |
ローマーミュンヘン | 2,200円 | 800円 |
ミュンヘンーパリ | 2,200円 | 800円 |
パリーバンコク | 0円 | 0円 |
バンコクー関西 | 0円 | 0円 |
合計 | 9,200円 |
これは実際に請求されている9,200円と一致しており、計算は間違っていないと思います。ANA便とタイ国際航空便ではほとんど「航空保険料及び燃油特別付加運賃」はかかっていませんが、ヨーロッパ内の周遊のルフトハンザの部分で意外と請求されていたことがわかります。
②2017年2月に同一旅券を発券しようとした場合
2月に燃油サーチャージが上がった状態で、同じ旅程を発券しようとした時の計算です。
区間 | 燃油サーチャージ | 航空保険料 |
東京ーフランクフルト | 3,500円 | 200円 |
フランクフルトー ミラノ | 2,200円 | 800円 |
ローマーミュンヘン | 2,200円 | 800円 |
ミュンヘンーパリ | 2,200円 | 800円 |
パリーバンコク | 0円 | 0円 |
バンコクー関西 | 0円 | 0円 |
合計 | 12,700円 |
こちらも実際に旅程を検索した時と一致しています。東京ーフランクフルト間の3,500円のみ燃油サーチャージが増えたということがわかりますね。
③2017年2月発券でヨーロッパ便を1便減らしてみた場合
計算があっているか確認するためにヨーロッパを1便減らしてみました。
区間 | 燃油サーチャージ | 航空保険料 |
東京ーフランクフルト | 3,500円 | 200円 |
フランクフルトー ミラノ | 2,200円 | 800円 |
ローマーミュンヘン | 2,200円 | 800円 |
ミュンヘンーパリ | ||
パリーバンコク | 0円 | 0円 |
バンコクー関西 | 0円 | 0円 |
合計 | 9,700円 |
ヨーロッパの1便分の3,000円が減り9,700円となりましたが、こちらも実際に検索した結果とあっています。(③~⑤の検索結果の画像は割愛)
④③からフランクフルト行きをエアチャイナに変えてみた場合
③からANA利用をやめてエアチャイナを利用した場合の計算です。
区間 | 燃油サーチャージ | 航空保険料 |
東京ー北京 | 10,500円 | 500円 |
北京ーフランクフルト | 0円 | 500円 |
フランクフルトー ミラノ | 2,200円 | 800円 |
ローマーミュンヘン | 2,200円 | 800円 |
ミュンヘンーパリ | ||
パリーバンコク | 0円 | 0円 |
バンコクー関西 | 0円 | 0円 |
合計 | 17,500円 |
17,500円とかなり高くなってしまいました。実際に検索した時は17,420円となっていたので微妙にずれていますが、許容範囲としてください…。航空保険料の部分でしょうかね。ANA→エアチャイナに変更して、合計運賃が大きく高くなってしまったので、その他サービス面なども含めて、特典航空券ではよほどの理由がない限りエアチャイナは利用しないほうがよいでしょう。
⑤③からフランクフルト行きをアシアナ航空に変えてみた場合
③からANA利用をやめてアシアナ航空を利用した場合の計算です。
区間 | 燃油サーチャージ | 航空保険料 |
東京ーソウル | 3,500円 | 120円 |
ソウルーフランクフルト | 0円 | 120円 |
フランクフルトー ミラノ | 2,200円 | 800円 |
ローマーミュンヘン | 2,200円 | 800円 |
ミュンヘンーパリ | ||
パリーバンコク | 0円 | 0円 |
バンコクー関西 | 0円 | 0円 |
合計 | 9,740円 |
こちらは実際に検索した結果とあっています。燃油サーチャージがほとんどANAと同じなので③とほとんど変わりませんね。
最後に
実際の燃油サーチャージのかかり方のイメージがつかめたでしょうか!?
利用する航空会社によって燃油サーチャージが大きく変わることがあります。2017年4月1日以降のANA以外の燃油サーチャージの規定については今回私は見つけられませんでしたが、他の航空会社も同様の算出方法をしており、燃油サーチャージはあがることが予想されます。ただ、それでも各社ばらつきがあると思いますので、費用を抑えて旅行したい場合には利用候補の航空会社の燃油サーチャージの規定を確認しておきましょう。
また、3月発券までであれば、ANA便ではなくタイ国際航空を選択すれば燃油サーチャージはかからないので日系じゃなくてもよいのであればありだと思います。エアチャイナは区間によってはばかみたいに燃油サーチャージがかかるので、ご利用は計画的に…。